マタニティ・ヨガ教室

具体的にマタニティ・ヨガを取り入れている病院のマタニティ・ヨガ教室ではどのようなことを行うのでしょう。

実際に、どのような効果が実際に得られているのかを見て行きたいと思います。

教室によってスケジュールや内容は異なりますが、例を挙げてみます。

レッスンが行われるのは週に1度、妊婦との交流時間も含め、約1時間40分という時間枠です。
指導にあたるのはマタニティ・ヨガ指導者養成コースを終了した専門家で、出産に特に効果的と思われる、「花のポーズ」、「開脚」、「しゃがみこみ」のポーズをメインに行います。

普通の妊婦は出産に備え、歩いたり身体を動かす、といった程度の運動はしています。
けれど例えばテニスの場合には、基礎練習としてランニングや体操を行うと同時に、必須練習としてレシーブやサーブの訓練も行わなくてはなりません。
ウォーキングや身体を積極的に動かすだけで分娩に臨む妊婦は、ランニングだけしていきなり試合を始めるテニスプレーヤーと同じ関係です。

そのスポーツ専用の必須練習をしなくては、良い成績を得ることはできないのです。
すなわち、分娩をスポーツに例えるならば、ウォーキングや身体をよく動かすことは基礎練習、必須練習がマタニティ・ヨガ、というわけです。

この病院では陣発入院、あるいは満期産の時期に入院した妊婦には、1日に2回から3回、骨盤底を開くポーズをメインに、一連のマタニティ・ヨガを指導する時間をとっています。
陣痛3?5分間隔の場合は、牽引開脚や抱きかかえ開脚が受け入れやすい身体になっていて、特に高い効果があります。

微弱陣痛以前の時期には、ポコポコポコ、トントントンも効き目があります。
分娩の重要なキーワードは「リラックス」ですが、妊婦にとってリラックスとは6つの意義に分類できます。

1、和痛=陣痛時にうまくリラックスできた。
2、休憩という意味でのリラックス。
3、陣痛間歇時のリラックス→発作時の緊張に対する弛緩。
4、骨盤底筋の弛緩。
5、分娩台上での開脚が楽。
6、精神のリラックス→出産に対する恐怖・不安の軽減、お産への前向きな姿勢、余裕・自信。

妊婦におけるリラックスの追及は、これまでに色々な分娩法でなされてきましたが、マタニティ・ヨガでやっと妊婦にとって必要な「リラックス」を得ることができた、と長年出産介助の現場に立ち会ったベテランも話しています。

マタニティ・ヨガを行わないで、単にイメージトレーニングだけでは、心のリラックスを実現するのは、とても困難なことなのです。

マタニティ・ヨガは授乳中にも行うと良い

マタニティ・ヨガは、妊娠中や分娩中だけではなく、産後、授乳中にも行うと良いのです。

妊娠中からマタニティ・ヨガを始めた妊婦は、分娩時にマタニティ・ヨガの効果を実感しているので、産後にもマタニティ・ヨガを希望する方が多くいます。

ヨガにはベビー・ヨガというスタイルもありますが、赤ちゃんと一緒にヨガを行う母親も多くいらっしゃいます。

現代は核家族化が進む一方ですが、日中、赤ちゃんと家に2人だけ、という母親も多く、ベビーヨガ、産後ヨガを通じてできたお友達同士で育児相談をしたり、コミュニケーションをとることでストレス解消するケースも多くみられます。

また、母乳で赤ちゃんを育てる場合ですが、母乳はマッサージだけではスムーズに出るようにはならないことが多くあります。
授乳の際にも、母親のリラックスが重要になってくるのです。
身体全体を見て、肩が凝っている時には花のポーズなどで解消を試み、それからマッサージを行い、リラックスに向います。

マッサージの前にヨガを行うことで、母乳分泌は格段に良くなります。

母乳が出ない、出にくい、という方の身体はガチガチの状態であることが多くあります。
身体が強張っている母親には、ヨガの呼吸をしてから姿勢を取る必要があります。
分娩は、女性にとって幸福なことである一方、人生の中でもトップクラスに入る修羅場です。
けれどマタニティ・ヨガを行うことによって、異常分娩や会陰裂傷が減り、自然分娩が多くなります。

平均以上の体重増加はヨガ非実践者と比較して1割程度少なくなっていて、妊娠中の体重増加を防ぐ効果もあります。

一般的に、8割以上の妊婦が腰痛、肩凝り、足のつり、尿失禁、便秘といった妊娠中特有の不快症状に悩まされていますが、その4分の3はマタニティ・ヨガの実践によって、症状の改善が見られます。

分娩中の動作もスムーズに行えるようになり、分娩中の呼吸法、リラックス、開脚、怒責も非実践者と比較して、約2倍の割合でよくできるようになります。
また初産婦も経産婦も、分娩時間の短縮が見られますが、得に初産婦においては差が著明です。

なんとマタニティ・ヨガを行うことで約3.3時間、分娩時間の短縮が見られています。
そして分娩時の出血量も、平均して94ml減少している、というデータがあります。
マタニティ・ヨガは西洋医学のように、この薬を飲めば出血がすぐに止まる、というような即効性はありません。

けれど本人が努力してマタニティ・ヨガを行うことによって、出産が確実に快適になります。
少子化が叫ばれる現代ですが、初産で苦しみすぎると、2人目を産もう、という気持ちにならない方も多くいます。

マタニティ・ヨガは、個人の妊婦だけではなく、社会的に必要である、とも言えるかもしれません。

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